NEWS

2015.09.03

株式会社Credo Ship. 板井 恒理 さん

  • 社名 株式会社Credo Ship.
  • 名前 板井 恒理(いたい こうすけ)
  • URL  https://www.facebook.com/credoship
  • 事業内容 キャリア教育、研修、プランニング
  • 自分を表す 誠

ひとりでも多くの人が
自分を活かして働いて(生きて)いくためのキャリア教育を

日本では今、求職者1人あたり1件以上の求人が世の中に公開されている。この求人数が意味するのは、人材の流動化だ。人は、自分に合う仕事を求めて仕事を変える。そこに決定的に欠けているのがキャリア教育である。自分が活き活きと働ける仕事は何なのか、どう考えれば、そんな仕事と巡り会えるのか。キャリア教育を業界として成立させるために孤軍奮闘しているのが板井氏である。

どんなお仕事をされているのですか?

キャリア教育、研修、プランニングの3つの事業を展開しています。キャリア教育では「アウターン」と呼ぶインターンシップのコーディネイトを手がけています。研修事業は、戦略型マネジメントゲームという経営シミュレーションゲームを活用した研修と、企業の要望に応じたオーダーメイド型の研修を実施しています。プランニング事業の対象は、事業計画や営業戦略立案のサポートなどで、営業戦略のプランニングの延長上で、営業戦略に適した研修プログラムを提供するワンストップ型の営業支援が当社の特徴です。「売れる仕組み」の立案と「売れる人材の育成」をどちらも欠かすことなく提供することを通じ、営業組織として成長を支援しています。

「アウターン」とは珍しいサービスですね。

企業が採用活動の前倒しとして、インターンシップを実施するケースが増えています。けれども、実態をよく見ると、本来のインターンシップの目的である「就業体験を通じたキャリア教育」とは狙いが違っているため、その機会自体があまり学生のためになっていないケースも散見されると感じています。インターンシップといいながらも、実際にはアルバイトより安い時給やひどい場合には無給で、単純作業をさせるようなやり方が存在していることも事実でしょう。
一方で、最近の学生は意識が高く、クリエイティブな能力に秀でた人材がたくさんいます。そこで彼らの能力を企業に活用してもらう橋渡し役を務めるのが「アウターン」です。

具体的にはどのようなサービスなのでしょうか。

ひと言で表すなら、企業経営者と学生の1対1のマッチングです。優れた経営者は常に、次のビジネスのアイデアを頭のどこかに描いているものです。そのアイデアを学生が聞き出して、市場調査などを行った上で実施プランにまで落とし込みます。成果報酬型の業務委託契約を学生と結ぶので、極論出来が悪ければ経営者は報酬を払う必要がありません。学生が提出する成果物は、マーケティングレポート、調査報告書、事業計画書などです。これまでサポートした10件のアウターンは、いずれも概ね高く評価されています。

研修で使う戦略型マネジメントゲームとは?

ソフトバンクが幹部候補生育成の場「ソフトバンクアカデミア」で導入し話題になっている研修で、具体的には、ボードゲームを利用して製造業の経営者として経営のシミュレーションを行い、貸借対照表と損益計算書をまとめて決算書を作ります。これにより戦略会計を学び、戦略思考を磨くことができます。元々は30年ぐらい前にソニーで開発されたものですが、弊社では独自に、この研修の実施後受講者の戦略に対する癖やリテラシーを定量的に評価してフィードバックするサービスを付加することができ、多くの企業にご好評頂いています。

プランニングとセットで行う受託研修について教えてください。

前々職のリクルート時代には、直販・代理店のチャネル全体の営業戦略の立案と推進を手がけていました。また、同じく前職のプルデンシャル生命保険では、B to C、B to Bのどちらの営業も手がけました。そこで培ったノウハウを活かして、企業の営業生産性向上のための戦略・戦術提案と推進を行っています。それらの戦略・戦術を効率よく実施するためのオーダーメイドの研修プランをセットで提案することで、戦略立案から営業推進までをワンストップで効率よく行うことができます。

展開されているのは、いずれも人を教え育む事業ですね。

大学卒業後には、高校で保健体育と進路指導の教師になろうと考えていました。ところが、ある友人から「就職もしたことない人間から進路指導なんて受けたくないわ」と言われて、目がさめたのです。それなら社会人経験をしてから、教員採用試験を受けようと考えてリクルートに入社しました。
5年後に上司の承諾を得て教員採用試験を受け、筆記試験はほぼ満点でしたが、面接で落とされました。仕事をするうちに身についた合理性を追求する考え方が、学校職員としてふさわしくないと判断されたようです。

それでも人を育てることへのこだわりを貫いたのはなぜでしょう?

大学時代に硬式野球部のキャプテンを務めていました。部員が60人ほどいるので、在学中に一度も試合に出られないメンバーがいます。彼らのモチベーションを保つためには、どうすればよいかと悩みました。たどり着いた答えが、例えばバント職人やランナーコーチなど何かその人材が活かされる役割やポジションを生み出し、試合に出ている9人以外も含めた全員野球をやって行くということでした。どんなにささいなことであれ、頼られると人は生き生きと輝く。そんな姿を見て、強烈な喜びを感じたのです。その時から、自分がやりたいのは、「一人ひとりが生き生かされる役割やポジションを主体的に創造する力や態度を育むキャリア教育の実践だ」と考えるようになりました。

今後は、どのような事業展開をお考えでしょうか。

キャリア教育業界を何とかしたいと思っています。教育産業全体では4兆円ぐらいの市場規模があるにも関わらず、キャリア教育市場は極めて矮小です。つまりまだマーケットとして成立していないのです。キャリア教育の事業者の多くはNPOなどの非営利団体だったりするのですが日本のNPOの平均年収は200万円にも満たないと言われています。これでは持続的で成長性のある事業としてはなかなか成立しないでしょう。人が生きていくためには仕事をすることが必要だし、同じ仕事をするのなら、少しでも自分らしく生きられる仕事に就いたほうが幸せです。仕事をすることで幸福感を得られる人が、一人でも多くなるようお手伝いをしたいと強く望んでいます。

京都で起業された理由は何でしょうか。

妻の実家が京都だったからです。夫婦どちらもが自分のやりたいことや事業を行っていくためには、今は親の世代の助けも必要であり、妻が働きやすい環境である京都に来たのがきっかけです。ただ、結果的には今のビジネスを展開する上では、学生の街・京都は最高の場所だと思っています。

share KARASUMAに入会された理由を教えてください。

会員の方に紹介していただきました。見学に来て、3階の卵のオブジェを見た瞬間「すごいな!」と。一発で気に入りました。自分は人見知りなのですが、ここに入居してから5人もの方と一緒にビジネスを展開させてもらっています。人が集い、交流する中でビジネスが生まれるダイナミズムを実感しています。

ご自分を漢字一文字で表すと何でしょう?

「誠」を貫きたいと考えています。体育教員の採用試験では、面接でどのように発言すれば合格になるのかが、実はある程度わかっていました。けれども、どうしても自分に嘘がつけなかったのです。リクルート時代に営業をしていても、バカ正直を通しました。「誠」とは「言ったこと」を「成す」と書きます。男はべらべら喋らなくていい、その代わりにひとたび口にしたことは、必ずやる。そんな人間をめざしています。