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2015.08.04

カラーマーケティング・LABO 片桐 かほり さん

顧客の魅力を引き出し、より輝かせる
カラーコンサルティング

人はたいてい、自分に合う色があると思っている。あるいは、「この色は絶対、自分に似合わない」と避けている色があるかもしれない。けれども、勝手な思い込みを外してみれば、意外な色があなたをより輝かせてくれる。顧客の人となりを総合的に捉えて、その人がもっとも映える色を見つける、それがカラーコンサルタントの仕事だ。

どんなお仕事をされているのですか?

人物と建物を対象にカラーコンサルティングを手がけています。人物の場合は、その人の魅力を引き立たせることが狙いです。具体的には、まず似あう色を見つけること。120色の生地を実際に肌に当てて、その人をいちばん美しく見せる色を診断します。その際に「骨格診断」を組み合わせるのが、私の手法です。お客様の体にそっと触れて骨格を把握したうえで、よりフィットするスタイルを提案します。女性のお客様には、その方の魅力をアップするフレグランスアドバイスまで行っています。

建物のカラーコーディネートでは、どのようなことをされるのでしょうか。

一般住宅と大型物件では基本的な考え方が異なります。注文設計で建てる場合、壁紙などを選ぶのはお客様です。ところが、家を建てるのことはたいていの方にとって初めての経験となるため、壁の色を決めるにしてもその基準がわかりません。だからといって「自分の好きな色」だけで決めてしまうと、後々トラブルになるおそれがあります。部屋一面に広がる壁の色は、その空間にいるときの気分に大きな影響を与えるからです。そこでプロとして、お客様の好みや暮らしぶり、趣味なども伺いながら総合的に判断し、最適なカラープランを提案します。

 

<店舗のカラーコンサルティングの例>

空間の色使いは、確かに心理的な影響力が強そうです。

商業施設などは、色使いで売上が確実に変わります。物販のお店なら扱っている商品を引き立てる色が必ずあります。ショップの関係者は自分たちの視点から見て「この色が良い」と決めることが多いのですが、それはお客様の視点とは異なっているケースが多々あります。まず商品特性をきちんと把握したうえで、顧客視点から見た商品に「ふさわしい色」を提案しています。
賃貸住宅などでは空室率を下げることが、オーナー様の課題です。これも空き部屋のカラーコーディネイト次第で、借り手の付きやすさが変わってくるのです。古いビルや町屋などの価値を高める手段にはリノベーションがありますが、これにはかなりのコストを覚悟しなければなりません。まずは低コストでできるカラーコーディネイトでイメージを変えてみるのも一案です。

色使い一つで印象が大きく変わる可能性があるのですね。

その通りです。しかも色は単なるイメージの問題にとどまりません。例えば、お年寄りの居られるご家庭では、風呂場などに寒色系を持ってくることは、できる限り避けるべきでしょう。なぜなら寒色系の空間にいると、体感温度が下がるのです。そのため、お年寄りが寒い冬場にお風呂に入ろうとしてさらに体温が下がり、ヒートショックを起こすリスクがあります。空間の色使いによって体感温度が上下3度ぐらい変わってしまうことをぜひ覚えておいてください。
明るい感じが好きだからと、やたらとカラフルな色使いをされる方もいますが、これも考えものです。確かにテンションが高い時には、賑やかな色がより元気を引き出してくれます。けれども少し気分的にしんどい時、体調が悪い時などは派手な色使いが症状を悪化させかねません。たかが色使いと思わずに、その心理的な影響力を考えていただければと思います。

どうしてカラーコンサルタントを職業にされたのでしょうか。

以前、不動産業界で仕事をしていた頃に、カラーコーディネイトがブームになりました。かれこれ15年ぐらい前ですが、それで興味をもったのがキッカケです。背景に色彩心理学の理論があることを知り、より良くも悪くも興味をひかれました。そして自分が仕事を重ねる中で蓄積した経験知が活かせるのではないかと。そう思って、世の中のさまざまな建物を見ていると、流行っているお店は色使いにこだわっていることがわかりました。スペース全体の色使いはもちろん、商品に当てる照明の色一つで売れ行きが変わる。それはもっともなことだと思います。

個人案件と住宅などの案件についてどのような反応がありますか。

個人のお客様からは、ご自身も納得してくださるのですが、「まわりの人から感じがとてもよくなったと言われた」「自分に自信がついた」と評価してくださる方がたくさんいらっしゃいます。自己イメージと他人から見るイメージの違いに、皆さん驚かれるようです。
一方、不動産関連の案件では、成果が売上などの数字として表れるので口コミでお取引先が増えてきている状況です。宅建協会や宅地建物取引業協会などの関係協会からの講演依頼もよく来ます。

<個人向けコンサルティングの様子>

 

京都で起業された理由は何でしょうか。

京都は保守的な土地柄といわれますが。実はそうではないと思っています。だから、京都発のベンチャーで大企業となったところが、いくつもありますね。起業家魂を受け入れ、育んでくれる土地柄なのだと思います。しかも、日本の中でも文化度が最も高い都市です。色使いにこだわる方も、たくさんおられます。日本文化の象徴とも言える着物をお召になっている方をお見かけするのも京都ならではのこと。着物スタイルにあったカラーコンサルティングもどんどん手がけていきたいし、京都の土地柄にあった建物のカラーコンサルティングや日本で一番厳しいとされている景観条例にも取り組んでいきたいと思っています。

shareKARASUMAに入居された理由を教えてください。

知り合いが会員になっていて、以前からシェアスタイルの良さを教えてもらっていました。実際に自分の目で見ると、ここは色使いも含めて空間に流れている空気感がとても好ましい。カラーコンサルタントで個人のお客様に来ていただくのにも、交通アクセスの良さは抜群です。コンサルティングは3階のプロジェクトルームを使います。ここは広々としていて、しかもロールカーテンでまわりから完全に遮蔽できるので、お客様も集中してコンサルティングを受けていただけます。

ご自分を漢字一文字で表すと何でしょう?

やはり「視」ですね。私の仕事は、視ることに始まり、視ることに終わります。人を視る、建物を視る、背景にあるものを視る、印象を視て、雰囲気を視る。視覚的に視ることはもちろん大切ですが、心の目で視ることも欠かせません。カラーコンサルティングは2時間ですが、その間のやりとりでお客様の本当の姿が垣間見えた時が、この仕事をやっていてもっともやりがいを感じる瞬間ですね。