NEWS

2014.10.24

京都SHIKONYA ジェイムス リー・マギルさん

  • 社名 株式会社いにしえ 京都SHIKONYA
  • 名前 ジェイムス リー・マギル
  • URL http://shikonya.jp/
  • 自分を表す 士魂商才

本物の京都を世界に伝える

どんなお仕事をされているのですか?

京都の逸品を専門に扱うインターネットショップ『京都SHIKONYA』を営んでいます。「京もの」つまり京都で産出する品物であれば、アルコール類と刃物以外のたいていの物は扱っています。

京もの、いわゆる京都ブランドにこだわる理由を教えてください

ひと言でいえば「京もの」が素晴らしいから、これに尽きます。1200年の歴史を持つ京都には、長い時間をかけて培われてきた匠の技が残されています。これは何ものにも代えがたい魅力です。けれども、ただ古いだけが京都の良さではありません。伝統という揺るぎない土台があるからこそ、新しいものを難なく取り込んで消化できる。京都発のデザインが現代性を持つのは、融通無碍ともいえる「京もの」の奥深さがあるからだと思います。私自身が、京都ブランドに惹かれるのは、えもいわれぬ懐の深さがあるからです。

とはいえ京都でゼロから商いを始めるのは難しかったのでは?

「一見さんお断り」とは、こういうことかと身をもって思い知りました。大学時代は体育会系、最初に入った会社も商社とバリバリの営業マンだったのでセールスには自信があったのです。けれども、そんなうぬぼれは木っ端みじんに砕けました。なにしろ飛び込み営業をしても、まともに相手さえしてもらえないのです。作戦を変え、商工会議所に入って地道に名刺交換をすることからやり直しました。それでわかったのが、手間をかけて一度「中」に入れてもらえると、生粋の京都人は本当に温かな人たちばかりだということ。しかも京都の人は決断が速い。京都でビジネスを始めてよかったと心底思いました。

生まれ育ったのは奈良だと伺いましたが

中学校までは奈良で、高校は大阪に通いました。大学が京都で、就職後はずっと東京です。今回、関西に戻ってくることになり、どこで開業しようかと悩みました。歴史に関心があるので、まず奈良か京都でと考えたものの、奈良では難しいことがわかりました。そもそも軍人だった父親が最初に暮らした町が京都です。だから原点に戻ったというか、何か大きな力に動かされて、この町に辿り着いた感じがします。

 

その風貌でありながら、見事な関西弁です

父親が米国人、母親が日本人です。自分では風貌は米国人、魂は日本人と考えています。実際、子どもの頃から愛読書が『原色日本の美術』だったり、小学校時代には奈良の仏像巡りをしたりと少しばかり変わった子どもでした。日本の歴史や文化に対する憧れは、父親譲りで、これも京都に惹かれる理由ですね。大阪の商人(あきんど)が「儲かりまっか」の世界で生きているのに対して、京都の老舗には文化性がある。それが外からみれば閉鎖性と言われるのでしょうが、私は、京都の人たちは大切な何かを守っているのだと思います。

その守るべき伝統産業が、相当な危機にさらされています

だからこそ今、がんばらなければならないのです。伝統産業はもちろんのこと、文化財も危機的状況であることに変わりはありません。例えば京都の北、鴨川の源流に志明院というお寺があります。昔は宿坊を営んでいて、司馬遼太郎が『梟の城』の着想を得たり、宮﨑駿監督が『もののけ姫』を思いついたのもこの山寺でした。京都の宝ともいうべき寺が荒れ放題になっているのにもかかわらず、修復できないという。世界の文化都市といわれる町としては、ありえない話です。だから私は、よき京都を残すことをビジネスにしていきたいのです。

京都SHIKONYAの今後の展望についてどのようにお考えですか

当面5年ぐらいは、取扱商品を増やすことが一番の課題です。商品が増えてくれば、いずれは輸出にも本格的に取り組みたいと考えています。今でも海外にいる日本人のお客様からのご注文はいただいていますが、京都の良さを海外の人たちにもっと幅広くアピールしていくことが、私の使命だと心得ています。そのためにも本物の京都を残すこと。「京都」ブランドはとてもパワフルなため、何でも「京都」と付けるだけでビジネスになってしまう。そんな「なんちゃって」京都がはびこるような状況も、何とか変えていきたいですね。

shareKARASUMAに入会された理由を教えてください

「シェアオフィス」でキーワード検索して、最初にヒットしたのがshareKARASUMAでした。家賃が安く、交通の便もとても良い。その時点で決まっていたのは京都に来ることだけ、どんな事業をするのかはまだ決まっていませんでした。だから、いろいろな会社が集まっていると聞いて、コラボレーションの可能性を感じたことも魅力でした。

ご自分を漢字一文字で表すと何でしょう?

一文字ではありませんが『士魂商才』という言葉に、強く惹かれます。ショップ名の『京都SHIKONYA』も、この言葉から取ったネーミングです。サムライの魂で商いに携わる、この初心をいつまでも大切に、仕事に取り組んでいきたいと思います。